アイデア⑤ アプリ『Rewarld』
#お金学
企画概要
生きていく上で重要なテーマのひとつであるにも関わらず、お金について知っていることがほとんどないということに問題意識を持ち、子どもの頃からお金を学ぶ機会や、何よりも「自分で実践してみる場」を持てるようにと、子ども向けのお金学習コンテンツの制作を試みました。
具体的には、小学生向けのマネー教育として、アプリで学ぶことができるラーニングコンテンツになっています。アプリには仮想空間が存在し、自分がプレイヤーになって、家・スーパーマーケット・銀行などに移動しながら、お金にまつわるアクションを実践していく仕掛けになっています。
学び方
このアプリは、主人公のキャラクターを使って、さまざまなお金にまつわる「ミッション」に答えていくことで、お金に関する知識を得ていきます。
街には「家」「学校」「スーパーマーケット」「銀行」の4つの場所があり、「○○を買おう」や「お小遣い帳を書こう」などのミッションに答えるため、その行動に適した場所を選んで向かいます。そして、各場所で貯金や投資、消費をしたりなど、お金に関する“実践”を行うことが求められます。
知識を頭で学ぶだけでなく、お金を使う、貯める、預ける、引き出すといった実践を重視したゲーム。そして、学びだけではなく楽しさを大事にすることで、小学生からでも興味を持つことができるアプリになっています。
アイデア⑥ プロジェクト『BLO-PRO』
#ラブ&セックス学
企画概要
一般的に「ラブ&セックス学」のテーマを選んだ場合、「性教育」に関するコンテンツをイメージしますが、あえて「ラブ学」の方向性を選択し、「愛とは何か?」についてのコンテンツを作りたいという思いからスタートしました。
一方で、愛はあまりに根源的すぎてつかみどろこがないため、愛を「多様性の理解」と再翻訳して、「他者との違いをどうしたら受け入れられるのか?」という問いに向き合って制作されました。
学び方
これは、「愛」という目に見えず明確な形が存在しないものを考える手段として、誰にでも簡単に扱える「ブロック」を表現ツールとして活用したラーニングプロジェクトです。毎月、愛に関する新しいテーマが発表され、ブロックを使って各々が考える「形」を表現し、それを写真撮影して専用サイトのフォームから応募する仕組みになっています。
テーマの事例として、「いい家族愛ってなに?」「友愛」「動物愛護」「LGBTQ」「事実婚」など、問われてみるまであまり考えたことのないさまざまな愛の形の違いについて考えるきっかけを提供します。
このプロジェクトは、作品の提出後、プロジェクトチームが集まった作品を分類考察し、SNSアカウントやWEBページを使って、その結果が発表されます。
つまり、この学びのプログラムを通じてブロックを作る過程で、自分の意見を持ち、表現することに向き合うと同時に、自分の形を考えるだけでなく、集まった作品や感想を見ることで、自分を客観視し、他者との違いを理解するというラーニングプロセスになっています。
アイデア⑦ 生涯学習プログラム『よりどりいのち』
#多様なチガイ学
企画概要
日本の若者の自殺率の高さに問題意識を持ち、「自殺という概念のない社会」を目指したいという強い思いで制作された、命についての学習プログラムです。
このプログラムを通じて、幼少期・小中学生・高校生のそれぞれのフェーズで「よりどころ」を持つことを目指して設計されており、自分のことを理解すること、十人十色の個性があることを知ることが、命を大切にする気持ちの醸成につながるのではないかという思いで作られています。
これは、短期間で学ぶラーニングコンテンツではなく、長期間にわたって学習する生涯学習プログラムという設計になっています。
具体的には、幼少期から成人になるまでのフェーズごとに、それぞれどんな状態になることを目指すのか設定し、そのために必要な学びを提案。主に3つのプログラムが考案されています。
① 自己発見のためのツール『mine DO!』
ひとつ目は、悩みの多い時期だからこそ、自分自身が考えていることを改めて見つめ直すことのできる手帳型ツールです。
手帳の構成は、提示される大きな問いに答える形式で、その未知の問いに直感で答えることを重視しています。
例)
問:もしも世界で一つだけ変えることができるとしたら、何を変えますか?
答:人間がまず相手に発する言葉(否定的な言葉でなく褒め言葉にする)
続けて、「本音を探る小さな問い」が提示され、自分の本心を探るための問いに答えていきます。
例)
問:今、世界で一番問題になっていることはなんだと思いますか?
問:あなたが世界で一番偉い人だとしたら、どんな世界を作りたいですか?
②他者理解ツール『おぴにON!』
他者への気づきのスイッチをONにする、という意図が込められたコンテンツで、意見を投票できるボックスを学校の中に設置します。
例えば、「朝はパン?ごはん?」などの問いかけがあり、他の人がどのように考えているかを常に意識するきっかけをつくります。
③ツール+カウセラーの存在を活かす『こもれび広場』
桜丘高校に実際に存在するカウンセラー室を、悩みを持っていてもいなくても誰もがいつでも使える場所にするという提案です。
自習やおしゃべり、ミーティングなども利用手段に入れることで、誰でもいつでもアクセスできるようになり、カウンセラーと話すことのハードルを下げる狙いがあります。