Learning Design Lab. ラーニング デザイン ラボ
#メディアリテラシー学

インターネットのルールとマナーを学ぶ子ども向けオンラインゲーム

INTERLAND 〜Be Internet Awesome〜

Googleが子どもや家族向けのデジタルセーフティの専門家である複数企業と共に作成した、子ども向けのオンラインゲーム。インタラクティブなゲームを楽しみながら、インターネットの世界での「安全対策」や「デジタル・シティズンシップ」(情報技術の利用における適切で責任ある行動規範)などについて学べるコンテンツです。ゲームのほか、教育ツールとして家庭向けガイドや教育現場向けの授業カリキュラムも用意されています。

学びのポイント

  • インターネットでシェアする時の注意点
  • 個人情報やパスワードの重要性
  • 他者への振る舞い方やその対処法など

対象:小学生


1996年には日本でまだ3.3%の普及率だったインターネットは、いまや社会のインフラとして存在し、日常生活に欠かせないものとなりました。利用者の年齢層も拡大し、令和2年度内閣府調査によると、10歳から17歳の青少年の95.8%がインターネットを利用していると答えています。(出典:令和2年度 青少年のインターネット利用環境実態調査 調査結果

現代の子どもたちは、タブレットやゲーム機などを使用してオンラインゲームや動画配信を楽しみ、学校でもオンライン学習をする機会が増えているため、小さい頃からデジタルデバイスに親しんでいる世代です。一方で、インターネットにはパスワードの脆弱性や個人情報流出など、セキュリティ上の危険も潜んでいます。もはや、危ないからといって避けることができない以上、使用する年齢に応じて適切な教育を行うことが大切です。

このコンテンツは、まだインターネットの仕組みも理解していない小学生の子どもたちに、ゲーム的な要素を通して「オンラインセーフティ」「デジタル・シティズンシップ」などの概念を楽しく学んでもらい、インターネットでの安全でスマートな振る舞いを身につけてもらうために作成されたものです。

使い方

オンラインゲームは全部で4つあり、それぞれにテーマがついています。

Mindful Mountain〜共有する時は注意をしよう〜

インターネット上で情報を共有する時には、その内容によって「誰に」シェアするか適切な範囲を検討して思慮深く行うことが必要です。このゲームは、「ブロック崩し」のような形式でその重要性を学ぶことができます。共有対象として提示されるのは、セルフィー(自撮り画像)やプライベート動画、両親のクレジットカード情報などさまざまなプライバシー情報です。

プレイヤーは、画面下の中央にある「青と赤の四角いボックス」を操作します。ボタンを押すと、そこからレーザーが出るので、反射板などを活用しながらレーザーを届かせたい場所に向くようにマシンを動かします。このレーザーがオンライン上の「情報」を意味していて、情報を悪用しようと待ち構えている悪者を避けながら、友人や家族など適切な人だけに渡るようなルートを考えるという仕組みです。

インターネット上に一度発信してしまった情報は消すことが難しいということを理解し、「デジタルフットプリント」(インターネットを利用した時に残る記録)とコミュニケーションの責任について学べる内容になっています。

Reality River〜偽物に騙されないようにしよう〜

これは、「フィッシング詐欺」や「成りすまし」に騙されないための情報リテラシーを身につけるクイズ形式のゲームです。

問題が投げかけられ、正しいと思われるマスにジャンプします。正解の場合は次の問題へと移り、次々に正解すると最終的に川を渡ることができますが、不正解の場合はマス目が消えて水の中に落ちてしまいます。

問題は全10問。問いに対して3つの選択肢から正解だと思う回答を選びます。

「明らかに詐欺にみえるおかしい件名のメールを受け取ったらどうしますか?」

  1. メールは削除して受け取ったことを忘れる
  2. 「これ笑える」と友達に転送しつつ、どこもクリックしないでねと伝える
  3. どのリンクもクリックしないようにしながら「詐欺」として印をつける

中には「15秒以内」に回答する時間制限が設定されているものもあります。時間制限があることによって落ち着いて判断するのが難しくなるため、スパムに引っかかってしまう条件を疑似体験することができます。

「実在の人物から届いたと考えられるメールアドレスはどれ?」

  1. emilyrobinson@gmal.com
  2. emilyrobinson@centralschool.edu
  3. emilyr0bin$on@centralschool.edu

子どもにとっては難しい問題もありますが、不正解の場合は「なぜその選択肢がダメだったのか」を教えてくれるため、正解でも不正解でも学ぶことが可能です。

Tower of Treasure〜君の秘密を守ろう〜

このゲームは、「オンラインセキュリティ」と「パスワードを守る」ための知識を身につけることができます。プレイヤーを操作して、砂漠の彼方にある塔を目指します。

ゲームの前半では、散らばっているアイテム(自分のメッセージやプライバシー情報)をレースゲームのように走りながら拾い集めていきますが、岩などの障害物にぶつかるとハッカーが現れてアイテムを盗んでしまうため、取られないように注意しながら塔に進みます。

ゲーム後半の舞台は、目指してきた塔です。塔の砦の中に入ると、侵入を試みるハッカーたちが襲ってきます。彼らから塔を守るため、「より強いパスワードはどれか?」を選択するクイズに挑戦して砦のセキュリティをより強固なものにしていきます。そうした問いを繰り返していく中で、パスワードを強くするための基礎知識を身につけることができます。

Kind Kingdom 〜親切であることはかっこいい〜

最後に紹介するのは、インターネット上での「他者への振る舞い」を学ぶためのゲームです。プレイヤーを操作してハートマークを集めながら、元気がなく悲しんだりしている人たちに、ハートを渡して彼らを笑顔にしていきます。

近くにトラブルメーカーがいると、ハートを渡してもすぐに悲しんだ状態に戻ってしまいます。そんな時には、スピーカー(拡声器)を拾ってきて周囲に通報し、トラブルメーカーを退場させることができます。

ゲームのエンディングでは、ゲーム内で得た知識を元に考える「選択式のテスト」も用意されていて、復習を兼ねてより知識を深めることができます。最後のテストには「トラブルメーカーも同じ人間で、優しさに飢えて問題を起こしていることがあります。みんなで親切にしてあげたら解決する時もあります」といったストーリーも盛り込まれているため、「より良いデジタル・シティズンシップとは何か」について考える内容となっています。


本コンテンツには、『Be Internet Awesome(インターネットは素晴らしい)」という副題がついています。インターネットのネガティブな側面だけではなく、勇気と親切さを持ってポジティブにオンライン社会を楽しむには一人一人が何を学び、どのように行動すれば良いのか。これからを生きる子どもたちにとっては、セキュリティ対策以上にそれらのスキルが必須になっていくのかもしれません。

紹介したゲームコンテンツ(英語)

INTERLAND 〜Be Internet Awesome〜


紹介ムービー

公式サイトからは、インターネットのさまざまなテーマについて話し合い、考えるのに役立つ教育ツールをダウンロードすることができます。「家族向けのガイド」「教育現場向けのカリキュラム」といったそれぞれの現場に合わせた内容が用意されています。
家庭向け:https://beinternetawesome.withgoogle.com/en_us/families
教育現場向け:https://beinternetawesome.withgoogle.com/en_us/educators

家族向けガイド
教育現場向けカリキュラム

掲載日

執筆:LearningDesignLab編集部

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