Learning Design Lab. ラーニング デザイン ラボ
#多様なチガイ学

手話をヒントにお互いの頭の中を伝え合うコミュニケーションゲーム

SHAPE IT!

「異(ことなる)を楽しむ世界を創る。」をミッションに活動している異言語Lab.は、新しいコミュニケーションのカタチを提案していくラボラトリーとして、さまざまなツールやゲームを開発しています。その代表的なものに、顔や手や体を使ってお互いの頭の中を伝え合うイマジナリーコミュニケーションゲーム『SHAPE IT!』があります。音声言語によらないコミュニケーションを体験し、手話をヒントにさまざまなイメージの伝え方を考えることで、異なる言語を使う人同士のコミュニケーション方法の違いや可能性を考えるきっかけを与えてくれます。

学びのポイント

  • 音声言語によらないコミュニケーションの体験
  • 身体を使ってイメージを表現すること
  • 視覚言語の表現方法について

手話は、非言語コミュニケーションのひとつで、身体を使って伝える視覚言語です。一般的に「手話=手の動き」と捉えられがちですが、表情や顔の動きなども文法の一部となっていて、表現方法は幅広い言語と言えます。

この『SHAPE IT!』は、そんな手話を起点としながら、お互いの頭の中にあるイメージを顔や手を使って伝えて遊ぶ、イマジナリーコミュニケーションゲームです。

使い方

ゲームキットには、<青色のもくもく><赤い三角のギザギザ>などさまざまな色や形のカードが入っています。遊び方は基本的に自由に行えますが、公式サイトには3つのコミュニケーションゲームの例が紹介されています。

① つなげてゲーム

最初に紹介されているゲームは、カタチを伝えて「見立て」を楽しむ連想ゲームです。

まず、コミュニケーションの「ツタエテ(伝え手)」と「ウケテ(受け手)」に分かれます。ツタエテになったゲームの親は、キットを見ながら頭の中で自由にカタチを想像して、それを顔や手、体で相手のウケテに伝えます。

次に、ウケテは実際にカードを使って組み合わせて、ツタエテの伝えたいものを再現していきます。

最終的に、出来上がったカタチに対してお互いに「タイトル」を決めることで、他者の見立てが自分と異なることを発見することができます。

※ゲームのヒント:実際には存在しない空想のモンスターや景色など、表現する幅が広いものをテーマにすると、お互いのイメージの違いを実感しやすくなります。

② お題ゲーム

これは、2つのグループに分かれて「お題」を伝えて作るイマジナリーゲームです。

グループの中で、お題に合わせてカタチを伝えるチーム(ツタエテ)と、伝えられた通りにカタチを並べて最後にお題を推理するチーム(ウケテ)の2つに分かれて行います。

キットで提案しているお題は「鍵をなくした」「未来」「親切な公園」など、ユニークなものばかり。カタチのない概念をイメージでどのように伝えるか、創造力と推理力が試されるゲームです。

※ゲームのヒント:遊び方に慣れてきたら、制限時間を設けてグループ対抗の競争を行うこともできます。

③ 違うのは誰だゲーム

一人ひとりにお題のカードが配られ、お題をもとに全員でカタチを作っていきます。ただし、一人だけ違うお題が与えられています。お題を表すパーツを次の順番の人に伝え、その人がカタチを作るということを次々に繰り返し、二周するまでの間に「違うお題を与えられたのが誰だったか」を当てるゲームです。


どのゲームにおいても参加対象者に制限はありませんが、手話を話せる人がいると、より視覚言語で表現することの可能性や広がりを知ることができ、伝え方のヒントになるかもしれません。

このようにSHAPE IT!では、誰もが常に行っている「コミュニケーション」という行為を軸にすることで、つい“社会的なかけ声”で終わってしまいがちな「多様性」の本質を、“試行錯誤しながら学ぶ”ことができるコンテンツになっています。ぜひお互いの頭の中のイメージを伝え合うことで、「異(ことなる)世界」を楽しんでみてください。

紹介したコミュニケーションゲーム

SHAPE IT!


異言語Lab.では、SHAPE IT!を使ったワークショップも開催しています。たとえば、『からだであらわすイマジナリー絵本ワークショップ』(コドモチョウナイカイ×異言語Lab.)という企画では、ろう者のファシリテーターと共に、参加者はさまざまなイメージの世界を全身を使って表現し、ワークショップを通してひとつの映像作品「イマジナリー絵本」を制作するという内容になっています。

掲載日

執筆:LearningDesignLab編集部

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